「VLOOKUP関数を組むのに30分かかった」「VBAマクロを書けと言われたが、そもそもプログラミングなんてやったことない」
こんな経験、一度はあるんじゃないだろうか。正直に言うと、自分もExcelの関数を調べるためにGoogle検索を繰り返していた時期がある。SUMIFS、INDEX MATCH、ピボットテーブル……。使いこなせれば便利だけど、覚えるまでが本当にしんどい。
ところが2024年後半からChatGPTをExcel業務に組み込むようになって、作業時間が文字通り10分の1になった。月曜朝のレポート作成に2時間かかっていたのが、今は15分で終わる。大げさに聞こえるかもしれないけど、実際の話だ。
この記事では、ChatGPTを使ったExcel業務の自動化方法を、実務で使える形で解説していく。「AIは難しそう」と感じている人こそ読んでほしい。
ChatGPT×Excelで何ができるのか?全体像を把握する
まず、ChatGPTがExcel業務でできることを整理しておこう。
よくある勘違いとして「ChatGPTがExcelを直接操作してくれる」と思っている人がいるけれど、2026年4月時点ではそうではない。ChatGPTの役割は「Excelで使う関数やマクロのコードを生成してくれるアシスタント」という位置づけだ。
具体的にできることはこんな感じ。
関数の作成・解説
「A列の売上データからB列の部門ごとに合計を出したい」と日本語で伝えるだけで、適切なSUMIFS関数やピボットテーブルの設定方法を教えてくれる。
VBAマクロの自動生成
「毎月のCSVファイルを自動で読み込んで、所定のフォーマットに整形するマクロを書いて」と頼めば、コピペで動くVBAコードが出てくる。
データ分析のサポート
「このデータから傾向を読み取りたい」と相談すれば、適切なグラフの種類や分析手法を提案してくれる。
エラーの解決
「#REF!エラーが出るんだけど原因は?」と関数を貼り付ければ、どこが問題かを特定してくれる。
実際に現場で一番使うのは、関数の作成とVBAマクロの生成だ。この2つだけでも、週5時間は節約できている。
実践①:ChatGPTでExcel関数を一発生成する
やり方は超シンプル
手順はたったこれだけ。
- ChatGPTを開く(無料版でもOK)
- 「Excelで〇〇がしたい」と日本語で説明する
- 出てきた関数をExcelにコピペする
たとえば、こんなプロンプトを使う。
以下の条件でExcel関数を作ってください。
- A列に「部門名」、B列に「売上金額」が入っている
- 「営業部」の売上合計を求めたい
- データは2行目から100行目まで
すると、ChatGPTはこう返してくれる。
=SUMIF(A2:A100,"営業部",B2:B100)
ここまでは簡単だ。でも本当に便利なのは、もっと複雑な条件のとき。
複数条件の関数も一発
「営業部の、かつ2026年1月の売上だけ合計したい」みたいな複数条件になると、自力で書こうとすると手が止まる人が多い。SUMIFS関数の引数の順番がわからなかったり、日付の条件指定で詰まったり。
ChatGPTなら、条件を日本語で書き並べるだけでいい。
以下の条件でExcel関数を作ってください。
- A列: 部門名、B列: 売上金額、C列: 日付(2026/1/15形式)
- 「営業部」かつ「2026年1月」の売上合計を求めたい
返ってくる関数:
=SUMIFS(B2:B100,A2:A100,"営業部",C2:C100,">="&DATE(2026,1,1),C2:C100,"<"&DATE(2026,2,1))
こういう関数を自分で書こうとすると15分はかかる。ChatGPTなら10秒だ。
よくある失敗:プロンプトが曖昧すぎる
ただし、ChatGPTに「売上の合計を出して」とだけ伝えると、的外れな回答が返ってくることがある。ポイントはデータの構造を具体的に伝えること。
悪い例:「売上の合計を出すExcel関数を教えて」
良い例:「A列に商品名、B列に売上金額が入っていて、A2からA500まであるデータのB列合計を出したい」
実際に試した経験だと、列の位置とデータの範囲を明示するだけで、正答率は90%以上に上がる。
実践②:VBAマクロをChatGPTに書かせる
ここからが本番と言ってもいい。VBAマクロの自動生成は、ChatGPT活用の中でも最もインパクトが大きい。
現場で起きがちな問題
経理部門や営業管理の現場で、こんな作業に時間を取られていないだろうか?
- 毎月届くCSVファイルを手作業でExcelに貼り付けている
- 複数シートのデータを1つのシートに統合している
- 特定の条件でデータを抽出して別ファイルに保存している
これ、全部VBAマクロで自動化できる。でも「VBAなんて書いたことない」という人がほとんどだろう。
ChatGPTにマクロを書かせる手順
実際にやってみよう。たとえば「デスクトップにある複数のCSVファイルを1つのExcelブックに統合するマクロ」を作りたい場合。
プロンプト:
Excel VBAマクロを書いてください。
- デスクトップの「月次レポート」フォルダ内にあるCSVファイルをすべて読み込む
- 各CSVファイルのデータを、新しいExcelブックのシートに追加していく
- 1行目はヘッダーなので、2つ目以降のCSVファイルではヘッダーをスキップする
- 最後に「統合レポート.xlsx」としてデスクトップに保存する
ChatGPTは動作するVBAコードを生成してくれる。あとはExcelの「開発」タブ→「Visual Basic」→コードを貼り付けて実行するだけ。
これまで手作業で40分かかっていた月次の統合作業が、ボタン1つ・30秒で終わるようになった。年間にすると約8時間の節約だ。
マクロが動かないときの対処法
正直なところ、ChatGPTが生成したVBAコードが一発で動かないこともある。体感だと7割はそのまま動く。残り3割はちょっとした修正が必要になる。
よくあるパターン:
– フォルダパスの区切り文字が違う(ChatGPTが「/」を使うが、Windowsは「\」)
– セル参照の範囲がデータに合っていない
– 日本語のファイル名でエンコードエラーが出る
こういうエラーが出たら、エラーメッセージをそのままChatGPTに貼り付ければいい。「このエラーが出ました。原因と修正方法を教えてください」と。たいていは1〜2回のやり取りで解決する。
実践③:データ分析をChatGPTで加速する
3つ目の活用法はデータ分析だ。
ChatGPT Plus(有料版)のAdvanced Data Analysis
月額20ドル(約3,000円)のChatGPT Plusに加入すると、「Advanced Data Analysis」という機能が使える。Excelファイルをそのままアップロードして、AIに分析させることができる。
| 機能 | 無料版 | Plus(月20ドル) | Team(月25ドル) |
|---|---|---|---|
| 関数・マクロ生成 | ○ | ○ | ○ |
| ファイルアップロード分析 | △(制限あり) | ○ | ○ |
| グラフ自動生成 | × | ○ | ○ |
| コード実行 | × | ○ | ○ |
| 月間利用上限 | 低い | 高い | 最高 |
正直、月3,000円は安い投資だと思う。コンビニのコーヒー代2週間分で、毎月10時間以上の作業時間が浮く計算だ。
分析で使える具体的なプロンプト
実際に業務で使っているプロンプトをいくつか紹介する。
売上トレンドの分析:
「このExcelデータの月別売上推移を分析して、前年同月比と成長率を計算してください。異常値があれば指摘してください」
顧客データのセグメント分析:
「購入金額と購入頻度でRFM分析を行い、顧客をA〜Dの4ランクに分類してください」
予算実績の差異分析:
「予算と実績の差異を部門別に集計し、差異が10%以上の項目をハイライトしてください」
ここで1つ注意点がある。機密データをChatGPTにアップロードする場合は、社内のセキュリティポリシーを必ず確認すること。ChatGPT Team版やAPI経由なら学習に使われないが、個人アカウントの場合は設定で「Chat history & training」をオフにしておくべきだ。
ChatGPT以外の選択肢:Microsoft Copilot in Excel
2026年時点では、Microsoft 365のCopilot機能もかなり使えるようになってきた。Excel上で直接AIに指示を出せるのが強みだ。
ChatGPTとMicrosoft Copilotの使い分けはこう考えるといい。
| 用途 | ChatGPT | Microsoft Copilot |
|---|---|---|
| 関数の作成 | ◎ | ◎ |
| VBAマクロ生成 | ◎ | ○ |
| データ分析 | ◎(Plus) | ◎ |
| Excel内で直接操作 | × | ◎ |
| 費用 | 無料〜月20ドル | Microsoft 365に含まれる場合あり |
| 日本語対応 | ◎ | ○ |
個人的には、複雑なマクロの生成はChatGPTのほうが精度が高いと感じている。一方で、ちょっとした関数の挿入やグラフ作成は、Copilotのほうが手軽だ。
Excel作業をまだ手動でやっている人は、まずChatGPTの無料版から試してみるのがおすすめ。最初は「SUMIF関数を作って」くらいの簡単なところから始めれば、1時間もすれば使い方のコツがつかめるはずだ。

よくある質問と注意点
Q. 無料版のChatGPTでも使える?
使える。関数の作成やVBAコードの生成は無料版で十分だ。ただし、ファイルのアップロード分析を頻繁にやりたい場合はPlus版がおすすめ。
Q. ChatGPTが間違った関数を出すことはある?
ある。体感だと10回に1回くらいは修正が必要になる。特にネストが深い関数(IF関数の中にVLOOKUPが入っているとか)は間違いやすい。必ず動作確認してから本番データに適用すること。
Q. Excel以外の表計算ソフトでも使える?
Google スプレッドシートでも同様に活用できる。プロンプトに「Google スプレッドシートの関数で」と指定すれば、GAS(Google Apps Script)のコードも生成してくれる。
Q. 会社のデータをChatGPTに入力しても大丈夫?
セキュリティポリシーによる。ChatGPT Team版やEnterprise版なら、データが学習に使われない保証がある。個人アカウントの場合は、設定でオプトアウトできるが、機密データの入力は避けるのが無難だ。
まとめ:まずは1つの関数からはじめよう
ChatGPT×Excelの自動化は、難しいことではない。最初の一歩はこれだけ。
- ChatGPT(無料版でOK)を開く
- 普段Excelで困っている作業を日本語で説明する
- 出てきた関数やコードをコピペして試す
明日の仕事で1つだけ試してみてほしい。「あ、こんなに簡単だったのか」と感じるはずだ。
もっと本格的にAI×業務効率化を進めたい人は、以下の記事も参考にどうぞ。




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