社内のコミュニケーションをメールからチャットに移行するとき、最初に悩むのが「SlackかChatworkか」だ。
両方使った経験から言うと、IT企業・スタートアップならSlack、非IT系の日本企業ならChatworkが最適解。ただしこの棲み分けには例外もある。
比較表(8項目)
| 項目 | Slack | Chatwork |
|---|---|---|
| 月額 | ¥1,050〜/人 | ¥700〜/人 |
| 無料プラン | 90日制限 | 5人まで |
| 外部連携 | ◎(2,600+アプリ) | △(少ない) |
| スレッド | ◎ | × |
| タスク管理 | △(外部連携) | ◎(標準搭載) |
| AI機能 | ◎(Slack AI) | △ |
| UIの複雑さ | やや複雑 | シンプル |
| 日本語サポート | ○ | ◎(電話あり) |
各ツールの強みと弱み
Slack — 外部連携と拡張性が圧倒的
Slackの最大の強みは2,600以上のアプリとの連携。GitHub、Jira、Notion、Salesforce、Zapier——業務で使うほぼすべてのツールとつながる。「Slackをハブにして業務フローを構築する」使い方が可能。
スレッド機能も強力。1つのメッセージに対して「スレッド」で返信できるため、複数の話題が1つのチャンネル内で混在しない。大人数のチャンネルでも話題が整理される。
Slack AI(2025年導入)でチャンネルの要約、未読メッセージの要点抽出ができる。朝出社したとき「昨日の#generalの要約」を見るだけでキャッチアップ完了。
弱点: UIがChatworkより複雑。「チャンネル」「スレッド」「DM」「ハドル」の概念を理解するのに時間がかかる。ITリテラシーが低い人が多い組織では、導入のハードルが高い。
Chatwork — 日本の中小企業に最適化
ChatworkのUIは「誰でも使える」シンプルさ。チャットルームを作ってメッセージを送る。それだけ。余計な概念がない。
タスク管理機能が標準搭載されているのが大きな差別化ポイント。「このメッセージをタスクにする」ボタンで、チャット内の依頼事項をタスクリストに変換できる。Slackでこれをやるにはプラグインが必要。
日本語サポート(電話対応あり)も安心材料。Slackは英語ベースのサービスで、日本語サポートはメール・チャット中心。
弱点: 外部連携が少ない。Slackの1/10以下。「チャット以外の業務ツールと連携させたい」場合は力不足。スレッド機能もないため、1つのルームで複数の話題が混在すると、過去のやり取りを追いにくい。
実際に両方使った体感レビュー
Slackを使った感想
社内のエンジニアチーム(15人)でSlackを1年間使った。チャンネルは50個以上に増殖し、最初の3ヶ月は「どこに何を投稿すべきか」で混乱した。
ルールを決めて運用を整えたら、劇的に使いやすくなった。「#general は全社連絡のみ」「#random は雑談」「プロジェクトごとにチャンネルを作る」——この3つのルールだけで秩序が生まれた。
GitHub連携が最も便利だった。プルリクエストが作成されるとSlackに通知が飛び、スレッドでコードレビューの議論ができる。これだけでSlackを選んだ価値がある。
「Slackは導入コストが高いが、使いこなすと手放せなくなる」というのが正直な感想だ。
Chatworkを使った感想
取引先(中小企業の製造業)とのやり取りでChatworkを使っている。相手が「Chatworkなら使える」と言ったからだ。
UIがシンプルで、ITに詳しくない取引先の担当者もすぐに使い始められた。タスク管理機能で「この件、来週火曜までに回答お願いします」とタスクを振れるのが便利。Slackにこの機能はない(外部ツール連携が必要)。
ただし社内15人の全コミュニケーションをChatworkでやろうとしたら、チャットルームが乱立して「あの話どこで話してたっけ?」が頻発。スレッドがないため、1つのルームで3つの話題が同時進行すると追えなくなる。
「Chatworkは少人数・シンプルな用途なら最強。大人数・複雑な用途ならSlackに軍配」が結論だ。
料金の詳細比較
| プラン | Slack | Chatwork |
|---|---|---|
| 無料 | 90日間のメッセージ履歴 | 5人まで、メッセージ閲覧制限 |
| 有料(最安) | ¥1,050/人/月(Pro) | ¥700/人/月(ビジネス) |
| 有料(ビジネス) | ¥1,800/人/月(Business+) | ¥1,200/人/月(エンタープライズ) |
10人のチームで1年間使った場合:
– Slack Pro: ¥1,050 × 10 × 12 = ¥126,000/年
– Chatwork ビジネス: ¥700 × 10 × 12 = ¥84,000/年
差額は年間約42,000円。月あたり3,500円。この差額をどう考えるかは、外部連携の必要性次第だ。
移行のコツ
メールからチャットに移行する場合
- まず「社内連絡」だけをチャットに移行
- 1ヶ月間はメールとチャットの二重運用を許容
- 2ヶ月目から「社内連絡はチャットのみ」に統一
いきなり「明日からメール禁止」は混乱を招く。段階的に移行するのがベスト。
SlackからChatworkに移行(またはその逆)
データの移行は基本的にできない(過去のメッセージは移行不可)。切り替えるなら「新しいプロジェクトから新ツールを使い始める」のが最もスムーズ。
用途別おすすめ
| 用途 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| IT企業・スタートアップ | Slack | 外部連携、スレッド、AI |
| 非IT系中小企業 | Chatwork | UIがシンプル、タスク管理 |
| 取引先とのやり取り | Chatwork | 日本企業の導入率が高い |
| エンジニアチーム | Slack | GitHub/Jira連携 |
| 営業チーム | Chatwork | タスク管理でフォロー漏れ防止 |
導入の判断基準
Slackを選ぶべきケース:
– 社内にエンジニアがいる(GitHub/Jira連携が必要)
– 10以上の外部ツールと連携したい
– 大人数(50人以上)のチームでスレッド管理が必要
– グローバル企業で英語でのコミュニケーションがある
Chatworkを選ぶべきケース:
– ITリテラシーが低いメンバーがいる
– タスク管理をチャット内で完結させたい
– 日本の取引先とのやり取りに使う
– 電話サポートがほしい
– 予算を抑えたい(Slackより月350円/人安い)
まとめ
「どっちが上」ではなく「自社に合うのはどっちか」で選ぶ。迷ったらまず無料プランで1ヶ月試すのが確実。
ビジネスチャット全般の比較はビジネスチャットツールおすすめランキングを参考にしてほしい。
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